新世紀エネルギー「薪」

west2692009-07-21

今日の一枚は化石燃料に替わる21世紀のエネルギー「薪」。
今日はエコ住宅の講習会の第3回目。先ずは木質バイオマスエネルギーの研究者の講演。何でも2050年までにCO2を80%削減することになったらしい。そのためには、省エネによる節約だけではとても足りないので、新しいエネルギー源が必要となる。
そして日本に於ける再生可能エネルギーの有力候補は森林だ。しかし、インフラが整備されていないので、運び出せない。山の中でほとんどの間伐材や倒木が有効利用できずに打ち捨てられているのだそうだ。腐った樹木はメタンガスを発生させるので、結果的にCO2の増加に加担しているのだという説明だった。「この国はどうかしている」と大いに憤慨されていた。成る程。何の目算もなく80%削減なんて、確かにどうかしている。政治も年金も高齢者福祉も雇用対策も経済対策も住宅政策も、どこの分野でもどうかしている話ばかりだ。ようは余った木材をペレット燃料にすれば良いのかな。

そして、後半ではOMソーラーハウス(パッシブソーラーハウスの一種です)の設計で著名なN氏の作品事例の紹介だった。N氏は「エコは信用しない。パッシブソーラーハウスならそれでOKなのか?人間が環境をこんなにしたんじゃないか。今のやり方でCO2削減なんか出来ないと思います」とのこと。「主催者は同じなんだけど、なんだが主張が異なるようだな」と思いながら話を聞いた。
紹介事例は若い頃設計した住宅だった。シンプルでほぼワンルームの好みなタイプの住宅だ。出来た当初は狭くて暑くて寒くて過酷な環境だった。そこに27年間住んだという。上手く行った自信作の話も面白いけど、問題のある箇所を工夫して解決したという話はもっと面白い。率直で好感が持てた。27年幼木だったコナラの木が成長して日差しを遮り、壁を覆ったツタが室温の上昇を防いだという話も興味深かった。建築自体の温熱性能は劣っても、周辺環境との関係性で改善する余地があるということと理解した。寒い我が家にも応用できないかな。

下の写真は大泉の家の薪小屋。

木質バイオマスというか木質エネルギーそのものだ。ペレットも良いかも知れないが、木材を加熱・乾燥加工しなければならない。だけど薪はこうやって干しておけばいいんだ。こちらを普及させた方が話は簡単じゃないのかな。