塞翁が馬 コケシ編

west2692009-09-04

今日の一枚は「こけし」という作品。作者はイサム・ノグチ。鎌倉にある神奈川近代美術館の中庭に置いてあった。
手元に確認のための資料が無いが、記憶によれば、このお2人は当初、東京の九段下にあったリダースダイジェスト社屋の中庭に設置される予定だった。
理由は分からないが、そちらには別の作品が置かれ彼らは行き場を失ってしまった。
社屋は戦後モダニズムの傑作の1つだったと言われていたが、既に建替えられ今はない。雑誌が販売不振で手放したのだといわれている。この彫刻達は予定の建物には入れなかったけれど、鎌倉の美術館に拾われた結果、図らずも命拾いをした訳だ。運命というものは先のことは分からない。「塞翁が馬」というのは人間だけの話じゃないのだと思う。
下の写真はそんな人情味を感じる近代美術館。2階の喫茶室前にあるテラスの風景。

展示空間は冷房が効きすぎて体が冷えてしまった。北鎌倉から歩き続けて足も疲れてしまった。しばし見学を中断し、一休みすることにした。喫茶室は冷房を入れず窓から自然な風が通り抜け、なかなか快適だった。