ビフォー アフター

west2692009-09-03

昨日に引き続き今日も大工工事のウンチクというか覚書。
現在工事中の韮崎の家。柱の足元で傷んだ場所をこんな風(今日の一枚)に接ぎ木をすることを根継ぎという。この根継ぎ部分の仕事を「継ぎ手」と呼ぶ。
この継ぎ手の方法にもいくつかあって、それぞれ名称がある。これは・・・確か「金輪継ぎ」と言った。古い部材と新しい部材とを、お互いに噛み合うように点対称に加工する。噛み合わせてから中心に栓を打ち込んで固定する。これで、引っ張っても、捻っても、曲げても取れない。
再生工事では手順が新築と反対の場合がある。この後は基礎石を下に置きコンクリートを打設して固定する。
下の写真はビフォーアフターのビフォー。

この柱の建っていた場所はかつて馬小屋だった。家の中でも高温多湿の場所だ。いく度かの改装で覆われていた柱はこのようになっていた。土台とも梁とも緊結されているので柱を取り替えることが出来ない。傷みの範囲が広くて前述の「金輪継ぎ」も出来そうにない。大工棟梁のMさんに相談すると「メチ」とか「十文字メチ」などの方法があるとのこと。「健全な部分を残して、傷んだところだけ取り替えてください」と頼んで来た。次の週見たら、こんな風になっていた。

古い柱をちょっとだけ持ち上げて、「横からスッと入れた」んだそうだ。