龍ヶ崎駅前の薬師堂

west2692009-09-11

龍ヶ崎の駅前にはこんなお堂がある。立派な建物だと思うけど、何故かぽつんと1棟だけで建っている。
前を通るたびに気にはなっていても、ここには仕事に来ているので、なかなか脱線は出来ない。なんといっても塩山から龍ヶ崎までは3時間30分はかかる。往復で7時間。こちらで活動できる時間はとても貴重なのだ。
しかし、この日は何故か2時間30分で着いてしまった。食事をしてゆっくり休んでも、約束の時間までは余裕がある。そんな訳でちょっと寄り道をして行くことにした。方丈があるのがとても気になっていた。日本建築には普通筋交いとか方丈といった斜めの部材は使わない。柱と梁の直交グリッドを斜めの材料を入れて壊すことは日本人の感覚にあわないといわれているのだ。
筋交いを入れることの是非については長い間の論争がある。効果のほどは定かではないが、何か問題があって、このような補強を考えたんだろう。しかし「いかにも補強です」といった投げやりな感じがしないように、方丈にも彫刻が施してあるところに、関係者の建物に対する気持ちが込められているように感じる。現代は耐震性に問題ありといわれたら即解体だ。
建物の裏に碑が建っていた。大正年間・昭和初期・昭和50年代に修理されたとあった。こうやって努力しながら工夫して使い続ける建築もあれば、全く問題なくても建築物自体の問題以外の理由であっさり壊されてしまう建築もある。
下の写真は軒裏の状況。

こうした持ち送りを繰り返して先端を跳ね出す手法は確か「三手先斗挟」という。塩山で見かける社寺はどちらかといえばもっと新しい手法の「跳木」を使う方が多いようだ。しかし残念なことに、こうやって鳩が巣を作らないように網掛けしてあった。