空が広くなった日

west2692009-09-21

今日の一枚は北鎌倉で見かけた路地。
明日は東京に出張なので、電車の切符を買いに夕方駅に行った。歩きながら、今日は何だか空が広いなあと思ったら、北口駅前に在った家が一軒消えていた。ポッカリとした空地は駐車場になっていたが、そこに今までどんな家が建っていたのか思い出すのに暫く時間がかかった。
切り妻屋根の2階建ての建物だった。建てられたのは昭和の前半くらいだろうか、窓が多くて壁が少なくて柱も少ない、今なら地震が来たら「倒壊間違いなし」と評価されてしまう、ちょっと不利な建物だ。でもプロポーションが良かったな。平凡だけど、同じ趣の家は近くにもう残っていない。そういえば何年も前に、地域の特徴的な建物の報告書を作るときに撮影した。あの頃はフィルム写真だったから、ネガごと納品してしまった。いつでも撮影できると思っていたので、控えも無い。「何時までもあると思うな・・・」である。残念なことである。
手元に「平山郁夫 欧州写生絵巻」というカレンダーがある。2006年と2007年版。「シルクロード美術館」で売っていたけど、何故かヨーロッパなのだ。それはともかく、26枚の絵の全てに建物が描いてある。建物がその国の特徴を表している訳だ。E・S・モースは日本でたくさんスケッチを残しているけど、これは明治のお話。今は残っていない。特徴を失った国に住んでいるのかも知れない。
下の写真は北鎌倉の路地の突き当りにあった小さな神社。

車の通らない不便な狭い道だから、僅かなものがこうして生き残ることが出来る。