未知との遭遇?

west2692009-10-15

その日は早く用事を済ませて、16時30分の特急「かいじ」に乗れた。塩山には17時55分に着く。まだ幾分明るさの残っている季節だった。そんな時は、とても得した気分になる。景色を眺めたいので座席を窓際に取った。夏の夕方の光は緑がきれいに見えるので本を読むのがもったいない。
発車間際に年配の紳士が乗り込んできて「こんにちは」と挨拶して隣に座った。多くの人は電車の中では本を読んだり、携帯電話でゲームやらメールを送ったり、居眠りをしながら目的地に向かう。無言だ。しかし珍しいことに、この人は話しかけてきた。挨拶のあとこう切り出した。「実は、今日私はUFOを見に来たんです」。
宇宙船というのは、夜間人知れず飛んでいるものなのだと思っていたが、東京のど真ん中に、それも真昼間に出現するのだと言う。その場にいながら、見ている人と見ていない人がいるのも、マスコミなどで大騒ぎにならないのも不思議だが、今日もちゃんと現れたのだそうだ。UFOに会うのも1人じゃない。グループで行く。バスツアーを組むことだってあるんだそうな。そんなときにも必ず宇宙船は現れるという。彼らと連絡がつくんだそうだ。既に地球上には金星人や火星人が何人も紛れ込んでいて、日本にだって300人はいるという。
彼はこうやって仲間を探し出しているのかも知れないな。残念ながら見当はずれだが。「N先生。今日もUFOですか?」塩山駅に降りると、彼の知り合いの女性が声をかけてきた。
彼はカバンからUFOの写った写真を取り出して「これをどうぞ」と手渡していった。今でも事務所においてあるが、彼とはその後出会うことは無い。
そんな訳で下の写真は「田安門」。東京は北の丸公園の入り口にある。皇居はUFOスポットなんだそうだ。