草むしりな日々

west2692009-10-25

滅多に無い家で過ごす休みの大半がこれに費やされているような気がするが、今日も草むしり。
せっかくだから、草むしりをしながら考えた。「智に働けば角が立つ・・・。」(草枕)じゃなかった。1Q84は読み終わって熱が出るほどの長編だったが、村上春樹の物語に出てくる登場人物は勤勉というかマメな人が多い。
掃除をする。洗濯をする。アイロンをかける。スパゲティーを茹でたり、味噌汁を作ったり、魚を焼いたり、生姜をおろして豆腐を食べたり、ビールも飲むが後片付けもちゃんとする。運動をして、汗をかき、シャワーを浴びて、歯を磨き、髭をそる。こうした言い方が適切かどうか解からないけど、ありふれた日常的な行為が都会的でスマートな雰囲気で描かれる。
が、しかし草むしりは無い。一戸建てに住んでいる人物もいたと思うが、どうやら田舎風すぎて絵にならんのかもしれない。
ところで「複合汚染」(有吉佐和子)という本には、雑草を一本残らず抜き取るのは、地主に搾取されていた頃の小作根性が抜けてないのだ、といった主旨のことが書いてあったが、これはチョッと違うんじゃないかと思う。やってみれば判る。ハマる。抜き始めたら、残っている草が気になる。際限ないことと知りつつ、限界まで作業を進めてしまう。そんな訳で今夜も腰が痛い。
そんな訳で、下の写真は「四万騎農園」のマロンジャム。

ブランデーの香がする。龍ヶ崎の家で頂いた。パンフレットには100年以上栗だけを作り続けてきたとあった。
塩山の松里村もかつては栗の里だったが、栗の大敵クリタマバチが大量発生して壊滅したといわれている。だから今は無い。この農場の人たちは地べたに這いつくばって、草や虫や腰痛と戦いながら栗を守り続けてきたのかも知れない。