パテ

west2692010-02-16

今日の一枚はパテ。ホットケーキの元ではない。これは食べられません。
文化財の修理なのだから創建時と同じ技術であるパテを使って硝子を押さえる設計を考えた。埼玉からやってきた建具屋は「それは耐久性が悪い。メンチナンスも難しい。木材で押し縁を作って、色を塗り、パテと同じように仕上げる」と言う。サンプルを作ってきたが、違う。建具は若干曲っているし、表面も風化している。ガラスも歪んでいる。しかし、押さえるところだけが妙にきっちりしている。これはNGなのだ。
監督がパテを扱っている会社が一社だけ見つけてきた。職人は静岡から3時間かけて通ってくる。「こんなことが出来るのもこれが最後かも知れない」とのこと。昨日の話しじゃないが、ナノテクみたいに人間の手を遠く離れた高度な技術が次々と登場してくる反面、伝統的な建築を支える手仕事が次々と消えてゆく。なんとも寒い話ではある。
「作業を見たい」といったら、快く実演してくれた。
下の写真。

白セメントみたいなパテを左手で掴んで、パテパテと窓枠に押し付ける。

右手に持ったへらですっ−と均して出来上がり。とても早い。所用時間は5分以下だった。