屋根の無い車

west2692010-04-12

今日の一枚は「屋根の無い車」。勝沼の中原という部落で見つけた。
これは廃車なんかじゃなくて、カスタマイズされた現役バリバリの農耕車なのだ。車高が低いのでブドウ畑などの果樹園で作業するにはすこぶる便利なんだろう。だが、常識的には違法改造で、整備不良でナンバーもついていない。正々堂々と公道を走るのはまずいかも知れない。
初めて相棒を山梨に連れてきたときのこと。
中央本線に乗り勝沼駅を過ぎると電車はブドウ畑のある山の斜面を走って塩山駅に近づいてゆく。ブドウ畑の中を幾筋もの道が通っているのが見える。その路上にこんな車が現れた。運転しているのは暴走族風でもトッポイ風の若者でもない、普通の農家のおっさんとおばさんだった。麦藁帽子を肩にかけ何食わぬ顔で真っ直ぐ前をむいたまますれ違って行った。
治外法権
地元で育った者には普通だが、初めて遭遇した人間には新鮮な光景だったらしい。
その後暫くして、山を一つ越えた大和村というところに行った。自動車を停めて葉の落ちた雑木林の中を歩いた。立て札があって、黒地に黄色い図が描いてあった。猟銃を模したそのマークの下には「鉄砲を人に向けてはいけません」と書いてあった。