桑の実

west2692010-06-28

今日の一枚は「グミ」。正式名称は知らないが、我々の地方では桑の実を「グミ」と呼んでいた。家の周りには桑畑が沢山あって、小学校を卒業する頃まではあちこちで養蚕を行っていた。「グミ」は特に美味くもないし、不味くも無い。腹を壊したことも無いので、毒も無いようだ。だが、大人たちから「グミ」は食べてはいけないと禁止されていた。それでもチャレンジする元気な人間もいたが、舌が紫色になるので会話するとばれる。効果的な対策は沈黙を守り通すことなのだ。
ところで、食べていけない理由は「消毒をしているから」ということだった。特に疑いもしなかったが、今思うとちょっと変かもしれない。
「消毒」というのは「殺虫」のことだ。農産物などを食べる虫を殺す。でも、桑の葉を食べるのは蚕という蛾の幼虫なのだ。桑の葉を食べさせて育てて、彼らが作った繭から糸を頂戴する。虫がつかないように殺虫剤を散布した葉を食べさせるのは変ではないか。
果たして本当の理由だったのだろうか。
下の写真は鯉の養殖場、らしい。

「らしい」というのは、何処にも看板や説明が無いからなのだ。尋ねようにも通りかかる人もいない。水田地帯の一角に田植えをしていない田んぼがある。桟橋みたいなものが入り込んでいて、小さい穴の開いた青い箱が置いてある。手探りでドジョウでも捜しているようにも見えるが、所々水の濁ったところから鯉が顔をのぞかせていた。