元祖ドドンパ・フジヤマ

west2692010-08-05

カミュの異邦人にこんなエピソードがあったと思う。主人公のムルソーが母親の葬式で仕事を休んで、職場に復帰したら仕事が山積みになっていた。
夏風邪をこじらせて3日程事務所を離れていたら、やはり仕事が溜まっていた。夏風邪をこじらせて3日程写真を撮っていないが、こちらは少しも増えてはくれない。不思議な話だ。
そんな訳で、右の写真はただの藪に見えるが、三塩軌道というトロッコの跡。三富村というところから切り出した木を塩山駅まで運ぶために造られた。
塩山からジーゼル機関車や馬を使ってトロッコ三富村まで引っ張りあげる。三富村で材木を載せ、そのまま斜面を滑り降りてくる。動力は要らない。およそ36キロの道のりをブレーキだけで戻って来るのはかなりスリルがあっただろう。
現在これは**ハイランドみたいな遊園地で使われていて、ドドンパとかフジヤマという名で若い衆を運んでいる。
まことにエコロジカルな交通機関だったと思われるが、ひとつ疑問がある。山奥まで行った馬や機関車はどうやって帰ってきたのだろうか。
途中から軌道は竹と雑木で覆われて近づくことが出来なくなる。とある民家の庭先に入り込んで先に進むとこんな場所に出た。

ロッコ軌道が沢を横切る所に架けた橋の柱脚が一つだけ残っていた。