エコバックの意味

west2692010-08-16

夕方やっと涼しくなったので外に出る気になった。
近くの寺へ卒塔婆を取りに行かなければならないのだ。8月の初頭に注文をしておいたのだが、熱を出してのびていたので、預けたままになっている。
自動車に乗って寺の前まで行き車を降りて、お布施を忘れたのに気が付いた。家に戻って出直すと、今度は入り口が閉まっていた。お寺もお盆の行事で疲れて早仕舞いをしたのだろうと、出直すことにした。
その足でエコバックを担いでマーケットに行く。聞きかじった話で恐縮だが、古代ギリシャじゃ「エコノミー」の語源たる「オイコノミア」には「家政」とか「節約」とかいう意味があったという。
だがこの場合、エコバックの「エコ」というのはエコノミーじゃなくてエコロジーのことなんだとずっと思っていた。
さて、買い物リストの最初にあるトマトのコーナーに近づくと、先客がいた。
彼女は両手を使って片っ端からトマト達と握手をしている。まるで選挙後半戦の候補者みたいだ。店内のすべてのトマトと手をつないだら当選できると決めているかのようだった。
先を急ぐので、端っこで青ざめていた3個入りパックを買ってきたが、あとで思った。家計を預かるということはトマトを選ぶのだって失敗は許されない。あの位の真剣勝負が必要なのかもしれない。もしかしてエコバックはエコノミーバックの略語なのかも知れないと思えてきた。
買い物を済ませ家に戻ると、水田の上を飛び交っていたツバメたちの姿が見えない。いつの間にか赤とんぼの集団に代わっていた。