あやふやな記憶

west2692010-11-08

ル・コルビジェという人がインタビュー映像の中でこんなことを話していた。「旅行に出かける際にカメラを買った。だがすぐ撮ることを止めた。シャッターを押してもフィルムが残るだけだ。他には何も残らない。だからスケッチブックに変えた」成程。確かに手を動かした方が記憶に残りやすい。
便利なものが効果的とは限らない訳だ。
さて、便利で手軽なコンパクトデジカメを使うようになったら、手帳に書いたスケッチはおろかフィルムも残らない。パソコンの画面に映像の情報を送る信号が残るだけだ。パソコンの記憶容量がいっぱいなったら外付けのハードディスクに移す。ハードディスクは段々大容量の物に替ってゆく。いよいよ、何がどれだけ何処にあるのか判らなく成りつつある。
昔の画像が必要になった。探すついでに貯まったデーターを整理していたら、一体どこの何を撮ったのか思い出せない映像が沢山出てくる。
そのくせ肝心な画像は出てこない。時間ばかりいたずらに過ぎてゆくのだった・・・。
そんな訳で今日はそんなあやふやな写真。
窓は堺市のどこか山の中で見かけた建物。炎は五箇山から白川郷に向かう途中の囲炉裏の風景。