究極の記憶メディア

west2692010-12-12

今日は昨日の続き。
お子様ランチみたいだが、こちらは少し離れた所にあった野外炉。
こんな状態でどうやって薪を燃やして、鍋を火にかけるんだろうと不思議に思ったが、現在の調理法とはまったく違った。地面を掘って器にして、水を張る。焼けた石を放り込んで沸騰させて食材を茹で上げるんだそうだ。
何だか信じられないような料理法だが、ストーンボイリングといって土器のない旧石器時代から行われていたという。地面さえあれば器が無くても調理ができる訳だ。そして、住居遺跡の片隅からは玉状になった粘土の塊も出てきた。土は生活の必需品だった訳だ。
そしてこちらは掘立柱を建てるために掘られた穴。

柱の位置や本数ばかりではなく、土の起伏で出入り口や食物の保管庫の位置や内部の使い勝手も判るのだとのこと。説明担当者は「ここらへんに2人くらい寝ていました」と話していた。ちなみに土間の表面に赤く変色した部分が残っていた。それでこの家は火事にあったことが判るだそうだ。
構造物がすべて消えた後でも土の状態から建物の規模や構造や生活の様子が判る。土は究極の記録メディアなのかも知れない。