ツバメの技術継承

west2692011-04-28

今日の一枚は福々亭の屋根。福々亭は古くなった茅葺屋根の上にトタンを葺いて保護している。
茅が少なくなったことと、金属屋根が流行したこともその理由なんだそうだ。ちなみに屋根の色には銀色・青・赤・茶色がある。銀色は反射率が高くて遮熱効果があるとか、青い色は北国に多く見られるとか、断片的な説明を聞く。何となく納得できそうな話ではある。
以前、農水省の全国茅葺調査で、山梨県内の茅葺集落を回った際に「トタンの色はどうやって決まったのか」と理由を聞いた。「市販されている塗料の色がそれくらいしかないんだ」という返事が返ってきて、拍子抜けしたけれど、案外そんなものなのかも知れない。未だに本当の理由は知らない。
屋根に見える縦の細かい模様は「小波板」と呼ばれる、ホームセンターでも売っている素材なのだ。鬼瓦は板金職人が叩き出して作った。
鉄板を被覆した屋根は茅葺の応急手当みたいだが、もっと簡単な形の雨どいの復元を計画したところ「現在これを造り出せる職人は地域に居ない。カラー鉄板もガルバリウム鋼板に駆逐され、存在していない」とのことだった。「匠の技」「伝統技術」の中でも注目され、残るのはほんの一部にすぎない。人知れず消えて行く技術はもっと沢山あるのだろう。

そんな訳でこちらはツバメたち。

我が家の前の駐車場に出来た水溜りから、巣作りの材料を集めている。泥壁を造るのだ。こちらは今でも技術が継承されているらしい。