シェヘラザード

west2692011-05-26

今日の一枚は放光寺の本堂。
ここには雨乞いに使われた古い仏像が残っている。擦りきれて原型は残っていない。人々は叩かれ、地面を引きまわされ、痛めつけられた仏像の流す涙が雨になるのだと信じていたという。
その説明を聞いた時、昔は酷かったと思った。そんなことで雨が降る訳がないじゃないか。
だが、今の我々は昔より「まし」なんだろうか。最悪が現実になっても、更にあからさまなウソとインチキで塗り固め、そして無関心と冷笑がそれを許す。昔の人々の無知よりも、切なさと、自然に身を委ねる潔さを想う昨今なのだ。

さて、シェへラザードの物語は夜毎語り継がれて千と一夜続いたという。アラビアンナイトとも呼ばれる物語の力は、頑なな聞き手の心を癒し、語り手との和解を生み、死が二人を分かつまで末永く幸せな日々を送ったというエピローグで終わる。
語り続けた人の知性と忍耐、物語の力には及ぶべきもなく、ここで持ち出すのも気が引けますが、このブログも今夜で丁度連続1001回目になりました。
ここら辺で一度休まないとまだまだ連続更新を続けてしまいそうです。区切りをつけるのに丁度良い機会ですので、今回を持って一旦お休みし、ペースを落として再開したいと思います。
そんな訳でこちらは八王子の家のリニューアル工事。あと二日ほどで完成です。