抜き差しならぬ

west2692011-11-15

今日の一枚はご存じ「二宮金次郎」。修理のために実測に出かけた屋敷の庭にあった。崩れかかった土蔵の前の藪の中でも、ひたむきに勉学に励んでいる。
先週末に突然、原稿依頼を受けた。締め切りは月曜日。書き直しをしている原稿だって仕上がらないのに、引き受けてしまった。1000文字ならすぐに終わるだろうと簡単に考えたのだ。これがいけなかった。なかなか難しい。簡単に書くには長すぎるし、いろいろ盛り込むには短すぎる。一日かけてまとめた文章がどうにも気にいらない。夕食後読み返して、結局全部書き直した。

そんな訳でこちらはワイヤー。

どこを通っているのかと調べると二股の木を貫通していた。木の左手に見えるのが土塀。かつては赤い鉄骨が土塀を支えていたらしい。原因は判らないけれど、向こう側に傾いてしまったので、ワイヤーで引っ張ることにしたのだろう。その後数十年経って、ワイヤーの近くにはえていた樹木が育ってワイヤーを包み込んでしまった。無理やり引き抜けば木が傷む。ワイヤーを切ったら木の中に残る。手術で取り忘れたメスみたいなものだ。木を切る訳にもいかない。抜き差しならぬ状況なのだ。