大地に還る家

west2692009-02-26

今日の一枚は宮光園。大地に還りつつある東三番蔵。

宮光園の保存修復工事が始まった。初めて無人状態の建物を見たのが17年前だった。平成4年。西暦だと何年だろう?1992年かな。ややこしいな。
2006年に基本調査をして、2007年に保存修復のための実施設計をした。2008年は文化財の指定を受けて、構造計算適合性判定も受けて、建築審査会も受けた。
そんなんでやっと着工だが、この間に傷みはどんどん進み、主屋周辺の蔵やら小屋はどんどん崩れ始めている。とりあえずというかやっとというか、今月からは主屋の修理を始めて来年の3月には完成の予定だ。それにしても随分年月が経ったなあ。この蔵の柱は木から土に戻りかけているけど……。以前、「大地に還る家」というコンペがあった。こいつなら入賞するかな。

昔々、セビリヤのヒラルダの塔を見に行った。その塔は建設に200年かかったと聞いた。なんて気の長い人たちなんだろうと思ったけど、もしかすると問題は別の所にあったのかも知れない。
費用とか、建設の事情やら戦争などによる中断とか。200年もやってれば当初の目標も忘れてしまう。最初の設計者だって死んでしまう。設計変更を繰り返していったら、いつの間にかこんな塔が出来ていたとか。

下の写真はレンガ煙突。工事車両が進入する際の振動による崩壊を防ぐ為に足場を組んで補強する。