歳月人を待たず

west2692009-02-28

今日の一枚は宮光園の屋根。ケラバという部分で、石みたいに見えるけど、左官仕事で洗い出し仕上げという。

ガルシアマルケスの小説に「ママ・グランデの葬儀」というのがあった。家にあるはずだが本が見つからない。遠い昔のことだから記憶が違っているかもしれないけれど、こんな話だったと思う。

ママ・グランデが死んで、葬式を出さなければならない。ママ・グランデは多分神様みたいなものだろう。だから普通の葬式というわけには行かない。
葬儀の方法やら時期やらで、様々な立場や思惑の人たちの意見が食い違い対立する。答えは出せず、いたずらに時は過ぎてママ・グランデの体は**って行くばかり。

さて、今度修理の始まった宮光園の主屋は木造建築だ。昔の建物なので、今の基準と異なる構造になっている。そこで木造建築で有名な構造事務所に構造計算を依頼した。でも県の指導課はもっと権威のある人に見てもらえという。権威の人に見て頂くのに5ヶ月かかった。当たり前だが問題ないとの結論が出た。その間修理は出来ず、建物は夏を過ごした。一番木が腐る季節に雨に晒される。そうして益々傷んでしまった訳だ。ママ・グランデの話の最後はどうなったかな。

下の写真は屋根の一番高い所。棟瓦。瓦屋に「瓦の様子を見てくれ」といったらスルスルと天辺まで登っていった。恐る恐る後を追いかけて登ってみた。「せっかくだから」と記念に撮った1枚。