浴室歴史探訪

west2692009-04-13

今日の一枚は「寒水」というもの。今も解体調査が続いている宮光園の、今日はお風呂場で発見された。
この家には明治27年に描かれた家相図が残っていた。それによればここのお風呂場は遥か昔はカマドのある部屋だった。

新しい(とはいっても20年は昔の)仕上げを撤去したら、先ず最初に黒い石みたいな仕上げが出てきた。何だか良く解からないが一部剥がして洗ってみたら、写真のような仕上げであることが判った。「こりゃ何だろう」とベテランの現場所長に尋ねると、「これはカンスイ」ではないかとのこと。カンスイ?ラーメンの麺みたいだな。
事務所に戻りインターネットで調べたら、こちらは左官材料の一種で白色石灰岩の別名だそうな。モルタルに寒水を混ぜて塗り、モルタルが固まる直前に水を流して、表面のセメントを流すとこんな感じに出来上がる。白い部分は判ったが、黒い部分はどうやったのか不明だ。

さて、調査を続けてゆくと、最初の風呂場の下に寒水仕上げの風呂場、そのまた下に風呂場、更に下からは家相図に記されたカマドの跡が出てきた。

下の写真はそんな発掘調査の写真です。

これは五右衛門風呂の痕跡。中央の黒ずんだレンガは風呂の焚き口に使われていた。レンガは比較的近年のものだが、中には中央本線開通時のトンネルに使われていたものと同じ時代のものが混じっていた。