地震より強力な破壊力

west2692009-05-20

考古学協会のM氏から連絡が入った。山梨県庁舎の第一南別館が解体されるとの情報だった。2月に保存要望書を出した建物で、後世の改造で様変わりしているが、オリジナルはアール・デコでなかなか面白い。昭和初期の山梨県の建築文化を伝える貴重なものなんだけど、ちょっと地味すぎてアピールにかけたか。早速、県庁の管財課に電話して確認してみた。「七月末には解体工事の契約をするように進めています」とのことだった。残念な話だ。
さて、山梨県のホームページで「県庁耐震化等整備基本計画」と検索すると報告書があった。
解体して跡地に大震災時の防災拠点を造るのだそうだ。「残すためにいろいろ検討したけど、やっぱり壊す」と書いてあった。確かに地震で壊れたら大変だ。しかし、建物は地震ではなくて地震を恐れる人の手で耐震化を理由に壊される場合のほうが多いのではないか。
写真は郡山で見つけた大正時代の建物。

郡山公会堂。こうやって大切される建物もある。歴史的様式のまがい物やレプリカはどうかと思うが、時間の経過を経たオリジナルは残したほうがいいと思う。歴史的遺産はお金を出しても買えない。何時の日か失ったことを後悔するかもね。