キリンの代理馬

先日「大月の山の中でキリンを見た」と書いたが、写真が無いじゃないかと相棒に指摘を受けた。残念ながら諸般の事情で撮影できなかったので、替わりにその近くで見かけた馬頭観音像をアップロードする。背後の石に年号が彫ってあり、嘉永三天と読めた。
そう、人に信じてもらうためには何事にも証拠が必要だ。証拠が無い時は真剣な表情しかない。「UFOを見た」とか「幽霊を見た」とかいうのも同じだが、いきなり遭遇したなら「証拠に記念撮影をするのでちょっと待ってくれ」と頼むような余裕は無いところが悩ましい。
カール＝セーガンは「人は何故エセ科学に騙されるのか」という書物で、「キリストやマリアを見た」または「オイラはイエスの生まれ変わりさ」等の「出現」と呼ばれる現象と、「宇宙人に拉致されてUFOに乗ってきました」というのは話の基本構造が同じで、病気の一種なのだと書いていた。病気だからナントかという薬を飲めば治る。そしてUFOや幽霊などの怪しげなものは見えなくなるのだそうだ。
工場の窓からこっちを見ていたキリンも錯覚かも知れないが、錯覚のままならそのほうが面白いじゃないかとも思う。