元祖「ドレミの歌」

west2692009-06-24


「いの一番」。これは昔テレビのコマーシャルで流れた調味料の商品名だった。何のことだろうと思っていたが、実は番付といって、木造建築の平面上の位置を表す建築用語だった。
基本的に木造住宅の柱は四角い升目の上に建っている。この升目上の位置を「いろはにほへと」の言葉の通りと「一二三四五六」の数字の通りの組み合わせで表現する。
「いの一番」の柱。「はの一番」の小屋束。「へのかっぱ」。といった具合だ。
単純な表現で建物内の位置関係が判るから、お互いに離れた所から電話で打ち合わせをしても概ね誤解なく話が伝わる。話も早く進む。誰が考えたか知らないけれど、素晴らしい情報処理の方法を残してくれたと思う。

ところで、今日はカーラジオからこんな話が流れていた。本日6月24日は「音階の日」。「ドレミ」というのは実はラテン語。古いグレゴリア聖歌のなかにヨハネ賛歌というのがあって、その冒頭のメロディーで歌われるのが「ドレミファソラ」なんだそうだ(当時「シ」はなかった)。
今から1085年前の1024年にイタリア人のグイード・ダレッツオという人が、その賛美歌だかなんだかの冒頭のメロディーを採用して、おなじみの「ド」から始まる音階を作ったのだのが始まりだと言う。ちなみにこの人は楽譜も発明したんだそうな。この発明によって、いちいち演奏で再現しなくても、音学を情報化して後世に伝えることが出来るようになった訳だ。

さて、重要なことは番付も音階も楽譜も、誰もが自由に使うことができるという点だと思う。

我々の事務所で建築設計に使っているJW―CADやスケッチアップといったソフトも、自由にダウンロードして使用できる。いまやソフトを使うことよりも、それを使ってどのような成果を得て、情報化するのかといった課題のほうが重要なのだ。表計算ワープロなどのコンピュータのソフトも同じだろう。単に計算したり文字を書いてもしょうがない。人類共通の知的財産としていずれ無料になるに違いない。

無料ソフトスケッチアップで作成したCG。古民家の補強方法を検討する。