ワイナリーのディープな歩き方

west2692009-06-28

今日も昨日の続き。山梨県庁舎のレトロな建物の中にこんなレトロ看板があった。勝沼の考古学者M氏とその仲間と思われる一団が写真を撮っていた。確かに昔日の香のする看板ではある。今時タバコの宣伝自体がレトロな行為だとも言える。
珍しいので彼らに倣って撮影をしていたら、「あっちに創建時の消火栓があったでしょう?」と言う。必需品かも知れないが、消火栓は設計屋としてはなるべく見せたくないものだ。建築を見学していても無意識に避けているような気がする。仮に見ていても意識に残らない。
「そうですか。気がつかなかった」と答えると。「なあんだ、駄目だなあ」と言葉が返ってきた。確かに昭和5年の消火栓(?)は珍しい。残念。見逃したのは惜しかったかもしれない。
見学会に続いて行われたシンポジウムの後、M氏が「建築史家のK先生をルミエールに案内してくれないか」という。ルミエールというのは一宮町にあるワイナリーで、K先生はこちらの地下セラーを取材したいとのことだった。
予てから関心のある場所だったので良い機会だと思い了解すると、「場所は判る?」と訊かれる。
「知りません」
「駄目だなあ」
同じ日に2度駄目出しを食らってしまった。
地元にいても、知らない所や未知な場所は結構多い。そう出歩いてばかりいられないんだけどなあ。建築史家のK先生からは甲府にあるサドヤの地下セラー見学を進められた。どうやら山梨のワイナリーをディープに歩かなければならないようだ。
下の写真はそんなルミエールの地下発酵槽。1901年に出来た。今でも現役で使われている。御影石で出来ているが、ワインが染み込んで赤く染まっている。ずっと酔いが覚めないんだな。