線路の部品 レールと枕木

west2692009-07-27

今日の一枚は「レール」。
我が家の30メートル目の前にも長いレールが仲良く4本置いてある。前も書いたかも知れないけど、何時だったか、最終電車で寝過ごして隣の駅まで行ってしまったことがある。田舎の深夜はタクシーも無い。仕方なく線路を歩いて帰ってきたことがある。最短距離だ。「良いアイデアだ」と思ったけれど、重い荷物を持っていてはレールの上でバランスが取れない。枕木の上を飛び石のように歩く方法も挑戦したが、歩幅が合わない。どちらも、とても歩き難いので疲れてしまった。そんな訳であまりお勧めは出来ない。
さて、常識的にはこの上を電車が走ることになっているが、建築の世界ではこのレールと枕木を使って建物を持ち上げる。レールで柱を挟んで、ジャッキアップする。上げたら隙間に枕木を1本差し込み支える。さらに持ち上げて、枕木を直交させて差し込んで支える。信じられないくらいシンプルだが、この作業を繰り返して徐々に建物が持ち上がってゆく。鉄筋コンクリートや土蔵も同様の方法で持ち上げるらしい。
下の写真は枕木とレールを仮並べした所。

来週から持ち上げ始め8月の終わりに揚げ終わる予定とのこと。この間は曳き家の作業のみ行われ、他の職種は待機中となる。気の長い話ではある。
せっかくの機会だから、見学会を開いて夏休み中の子供達に見てもらおうとの話になった。現代社会に於ける建築は本来の寿命を待たずして壊される。地震でも風災害でもない。関係者が精魂を傾けて造って、守ってきた建物があっさり消えてゆく。不幸なことだと思う。未来には建物を大事に長く使ってくれる大人が増えて欲しい。