菊水と三つ巴

west2692009-09-16

今日の一枚は宮光園瓦の模型。
宮光園の瓦は多くは明治時代のもの。場合によっては江戸時代のものも混じる。当然のことながら現在の瓦とは規格やデザインが異なる。とくに、軒の先端に使われている瓦には違いが顕著に現れる。そこで、同じ大きさ・同じ形のものを特注で造ることになった。
先ずは下の写真のようなサンプル瓦を確認した。古いものばかり見慣れたせいか、新品は凹凸が無くて馴染めない。

サンプル瓦

オリジナル瓦
良く似ていたけど、残念ながら先端の模様がちょっと違っていた。
後日あらためて、別の模型が送られてきた。
瓦の模型にしては軽いなと思いながら箱を開けると、このように特徴的な箇所の部品だけ入っていた。
下に置いてある黒い奴がオリジナルの瓦。茶色い瓦が新しい瓦の模型。新品が古い瓦をいじめているように見えるけど、こうやって模様と大きさを比較して確認するのだ。
ちなみに反り返った部分に見える模様は波頭の形が若干違っているので、これは修正するとのこと。
少し大きめに見えるなあと、寸法を測ると若干大きい。だが焼くと、縮まって同じ色と大きさの瓦になるんだそうな。この辺りは「経験」としか言いようがない訳だ。工業製品でありながら、経験と手技の要素が多く含まれる。瓦というのもなかなか難しい。
ところで、この図柄はなんと呼ぶのだろうか。勝沼の考古学者のM氏に聞いてみた。
反り返ったほうの図柄は「菊水」と呼ばれる。何となく水面に浮かぶ菊の花に見えないことも無い。右側のカミナリの太鼓についている模様みたいなものは「三つ巴」というんだそうだ。