そうはいかない。

west2692009-10-03

今日の一枚は「敷地」。こう漠然と広いと「これだけ場所があるんだから、どこに建てたって良いじゃないか」と思うが、そうはいかない。
先ずは配置図を描いて建物の位置を定めなければならない。建物に関連して地盤改良の範囲やら、浄化槽の位置やら、井戸の位置なども決めなきゃいけない。浄化槽の浸透桝から井戸は30メートルあけなきゃならないし、前の道路が狭いから、20センチだけ敷地を後退させなきゃならない。農耕車しか通らないから、道路も広い必要はないのだが、これは法律だから仕方ない。
しかし、「敷地が広すぎてはイカン」という。何でも「開発行為」というものになるから、都市計画法(田んぼばっかりだけど)に基づく申請をしなければならない。それを避けるためには、敷地の家を建てる範囲だけ、「宅地」として区画しなければならないのだそうだ。
こちらの家と隣家のどちらが火事になっても相手に類焼しないように、敷地境界線から建物を離したり、それが出来ない時は防火構造にしなければならない。家だけじゃない。この敷地みたいに周りが田んぼや豆畑でも、突然火を噴くかもしれないし、こちらも持ち主に断り無く、焼き飯や焼豆が出来ないようにしなければいけないのだ。そんな訳でこの敷地には目に見えない境界線がいっぱい張り巡らされている。
こんな風に「何々しなきゃならない」ことばかりで建築工事はしなければいけない。
もう一つ話があって、敷地が軟弱地盤の場合は地盤改良をしなければならなくて、そのためには地盤調査もしなければならない。
そんな訳で、下の写真は地盤調査の様子。

これは「スエーデン式サウンディング」という調査の方法。先の尖った金属の棒を地面に立てて、鉄の錘(写真中の猿の顔みたいな奴です)をつけてクルクル回す。この錘の重さと回転の様子で地面の硬さを調べるのだ。地盤が軟らかいと錘を載せただけでズルズルと鉄の棒が潜ってゆく。