幻のボルドー神社を訊ねて

west2692010-02-26

今日の一枚はボルドー神社。以前、建築史家のK先生が「宮光園にはボルドー神社があるでしょ」と話していた。耳にしたことはあるが、目にしたことは無い。敷地北側の草叢に鳥居があるから「あの辺だろう」と思い込んでいた。

さて、今回の保存問題の大会で宮光園は見学対象になっていた。世の中には恐ろしいほど物知りな人がいるから「ボルドー神社は何処?」なんて質問を受けるかもしれない。
「知らない」というのはみっともない。事前に探してみたが、等身大以上の人物像と石灯籠以外に社らしきものは発見できなかった。古いものだから消滅したのかもしれない。そうこうするうちに当日が来てしまった。

建築関係者というのは自分のペースで自分の見たいものだけを見る。案の定、団体行動から大きく遅れた数人がいる。はぐれては大変と彼らの後をついてゆく。建物の見学はそっちのけで、人気のない庭園にずんずん入ってゆく。そこには石灯籠やら記念碑やら何やらの石のオブジェがモアイのように遠くを見つめていた。

中の一つを指してK先生が「これです」と言った。
確かに神社の形式ではあるが、普通は木造のはずだ。
石造文化の国で作る酒だからなんだろうか。ほとんどが石。向拝の柱だけが木で出来ている。「前衛」なのかな?
ボルドーというのはフランスの地名だが、どうしてそれが神社になったのかは解からない。もしかしてブドー神社が訛ったのかな?