建具の修理

west2692010-08-30

今日の一枚は久しぶりに宮光園。屋根工事を終えて足場が外れた。長い工事だったけど、工期もあと1か月を残すばかりとなった。
ブルーシートが下がっているところは開口部。ここに建具を入れるとおおむね完成する。
修理した建具を運び込んで建具職人が図面とにらめっこしていた。「外回りの建具なのに鍵を取り付けた後がない。変だな。どうやって戸締りしたんだ」と考えている。どうやら違う建具が混じっていたらしい。
主屋は明治20年代の創建だ。長い間には様々なことがある。間取りの変更に伴い建具の入れ替えが行われたり、外に面した建具が内部に使われたり、近所の小学校の建具が混ざったりしている。
廃屋状態の時はお互いに歪んでいた。どうせ開け閉めしないから、なんとなく辻褄があっていたけど、修理したら隙間が目立ってしまったなんて場所もあるのだった。

下の写真は建具修理の後。

白いところが新しい木材。古い建具を分解して、傷んだところを接ぎ木したり、取り替えたりするとこうなる。
文化財だから、傷みが酷いからと言って、新品に変えてしまう訳には行かないのだ。柱や梁などの古材と同様、このようにツギハギして可能な限り再利用する。