せげえもしくはせがい

west2692010-12-07

今日の一枚は再生前の民家。
建物はご覧のように大型でしかも山間にある。敷地にたどり着くのには狭くて曲がりくねった斜面を登らなければならない。2階と3階の窓の足元にある庇みたいなものは「せげえ」とか「せがい」と呼ばれるもの。同じような呼び方をする「せがい造り」というものも世間にはあるが、こちらはちょっと違うかも知れない。ここでは養蚕時の荷物の出し入れする場所でもあり、荷物置き場でもある。現在は養蚕がおこなわれていないので、もはや不要な部分だが、取ってしまうとのっぺらぼうになる。アクセントとしても残しておきたい場所ではある。
さて、「せがい」もしくは「せげえ」の位置や構造や見た目の印象はバルコニーに近い。しかし手摺はない。落下防止の方策は取られていないのだ。それにしても昔の人は朝から晩まで忙しくこんな危険な場所で働いて大丈夫だったんだろうか。もしかして手摺さえあれば安心してしまう現代人のほうがあまりに無防備で不注意なんじゃないのだろうか。
そんな訳で唐突にも、こちらはマサカリ大工が復刻した打製石器

今からは信じられないくらい、こんな単純な道具を使って昔の人は思いのほか複雑なもの造りを行っていたようだ。そして、現代は複雑な道具を使った単調な作業で単純な物を大量に生産している。そんな時代だったりするのだ。