スリリング

west2692011-02-07

今日の一枚は解体中の民家の一部。甲州街道勝沼から東京方面に向かって走り、笹子トンネルを抜けると街道沿いには緩勾配の大屋根の民家が現れる。多くの場合は外観こそ2階建てだが、内部では天井を低くして3層や4層に床を組んである。
写真に見えているスノコ状の床もそうした建物の3層目の部分。養蚕のための板の張り方で断熱性能はほとんど期待できないが、光が透けてなかなかきれいなのだ。

板の上に見える桁梁は何故か2段になっているが、荒削りの下段は創建時のもので、少し細かい上段の梁は昭和の初期に屋根を葺き替える際に新たに設けたのだそうだ。これも養蚕のための床スペースを広く確保するために屋根を高くするのが目的だったらしい。何だかわからないがこれも建物の歴史なのだと思う。
そんな訳でもう一枚は4層目の床の風景。家は山の中腹に有るのでここからの眺めはとても良い。

上に見えるベニヤの天井は雨天でも作業可能とするための覆い屋根。薄いスノコ板の上を歩くとジワリとたわむ。板は弾力性を失っているので踏み抜く危険もあるので、根太の上を歩くが、こちらも心もとない。なかなかスリリングなのだ。