霜柱氷梁雪桁雨垂木露葺草

west2692011-04-30

デジカメになってから、ネガフィルムをほとんど使わなくなってしまった。
当時のカメラは電池を抜いて押入れに入っている。プリントは写真帳に入れて、本棚に差し込んだままになっている。中身も時々抜け落ちて、あちらこちらに紛れ込んだままになっている。
このままでは昔の記録写真が散逸してしまう。時間を見つけて整理をすることにした。
1995年に撮った写真をスキャンしていたらこんなものが出てきた。今日の一枚は「棟札」、というか棟札の裏の「おまじない」。
上棟の準備の最中に大工の棟梁が書いたもの。霜柱氷梁雪桁雨垂木露葺草。
「これは何て読むのか」と聞くと、「文字通りに読むだね。意味はまあ、ダジャレみたいなもんだ」とのこと。どうも良く判らない。首をひねっていたら、隣にいた年配の大工が読んでくれた。「シモバシラ。コオリハリ。ユキケタ。アマタルキ。ツユフキクサ。意味は今読んだ通りだ」。寒い北巨摩地域の気候ならではの言葉遊びなのかも知れない。

そんな訳で、こちらは再生前の建物の写真。

カメラが傾いているのではないのだ。だが、これでも家は建っていたし、今でも建っている。ちなみにこの時点で築後199年経っていた。


山梨日日新聞社で主催している「マイベストプロ」のコラムで民家再生について書いています。
興味のある方はこちらをどうぞ→http://mbp-yamanashi.com/alcedo-atthis-architect/column/1409