思案するカエル

west2692011-05-14

今日は佐久平の家で、土塗壁の最初の段階である荒壁作り。
プロの職人では無く、アマチュア集団の作業なのだ。素材となる壁土は庭で作ったもの。泥に藁を混ぜて水で練って醗酵させる。その為、庭は一時的に水田状態になる。
水田にはカエルがつきものだ。とこからともなくやって来て、壁土の中で繁殖したらしい。いよいよ壁塗りが始まったので「ここでの生活もそろそろ終わりなのかな。さて、どうしたものか」と思案しているのかも知れない。
下の写真は「貫伏せ」。

参加者が作業に入る前に左官職人が実演して見せた。ここでは荒壁を簡単に塗った後、「貫伏せ」という作業を行っている所。
土塗壁の場合、貫と呼ばれる板状の部材がある所は土が厚く付かない。割れやすいので、このように藁を短く切って貫のある位置に縦に埋め込んで補強する
左手に持った藁を少しずつ手繰り出しながら金鏝で押さえて行くのだが、藁は使用する前に水につけておき、柔らかくなったものを使うと作業性が良いのだそうだ。
解説本等だけではなかなか到達しえない現場の知恵の一つなのだろう。