千手欅

west2692011-10-26

千手観音のような枝を伸ばしている木は欅の木。今日の一枚。増穂町のあるお寺の境内に立っている。樹齢は何年なのか良く判らない。
欅の大木は貴重だし、欅の木目は美しい。だから、不謹慎にも「売ってくれ」と話を持ちかけてくる人もいるのだそうだ。
この欅の木は参道から山門を通る軸線の真上にある。そして欅の木の下には小さなお堂が建っている。お堂は虫切加持堂といって江戸時代から続く、子供の癇の虫のお祓いを行う建物で、内部には寺院の中でも最も古い仏像や資料が納められている。
この寺院にも他と同じように本堂・鐘楼・庫裏・書院などの建物がある。それぞれ立派な造りなのだが、軸線上に建っているのは欅とこのお堂だけなのだ。
実はこの欅の大木の下の空間が伽藍の中心なのだそうだ。
大切なものはさりげなく、目立たないところに置いてあるのだった。