サンセットオフィス

west2692010-06-19

はつなつのゆうべひたひを光らせて保険屋が遠き死を売りに来る(塚本邦雄
最初に借りた事務所はビルの4階だった。西側に嵌め殺しの広い窓があって、「夕焼け設計事務所」と改名しようかと相談したくらい、夕焼けが良く見えた。もちろん、夏は気持ち良いくらい陽だまりになって「ひたいがひかる」ほどではないがそれなりに暑かった。
仕方なく、ブラインドを閉めて日射を遮り、エアコンを動かして、昼間から電気を点けて本などを読んでいた。
この短歌はそんな頃に事務所で読んでいた本で紹介されていた。当時は「遠き死」だったが、どうやらだいぶ近づいてきた気配が無きにしも非ず。やはり時間は着々と過ぎてゆくんだなと思う。
しかし、売りに来るのが「近い死」だったらどうするのだろう?それはそれで怖いような・・・。
下の写真は現在入居している事務所。

ここもこんな風に西日が良くあたる。学生時代借りていたアパートも西日が良く当たる部屋だった。やはり西日に縁があるのかな。