象形文字を読む

west2692009-06-26

今日の一枚はトンパ文字。スタッフのM君が描いたが、学生の飲み会の記号ではないし、麻雀の様子でもない。寡聞にして知識がなかったが、世界唯一の現役で使われている象形文字なのだそうな。中国雲南省少数民族である納西族のあいだで使われているという。
ちなみにこの文字は「町」を表す。確かに四方を城壁で囲み、各壁面に城門がある大陸型のに似ている。町の見取り図
明日のシンポジウムでは「歴史的建築の保存はまちつくりにとって重要である」が主張のひとつになる。そんな意味を込めて、小道具にもこんな感じで「町」と「建築」の2種類のトンパ文字を描いた。

最近読んだ「文字の美・文字の力」という本には様々な装飾文字が紹介されている。壽・福・喜・春・富・萬・香などめでたい意味の文字が圧倒的に多い。人々はそうした文字を装飾品として身に付けたり、衣服としてまとったりしてきた。
また、民家の屋根の鬼瓦に「水」と記すのは火事や災害を防ぐためとも言われている。
文字は単なる記号じゃなくて、かつては希望や祈りなどを込めた造形でもあったわけだ。

下の写真は神奈川県のあるお宅で見せて頂いた掛け軸。

真ん中に書かれた模様が初めて目にしたトンパ文字なのだ。ほのぼのした雰囲気だけど、これは「南無阿弥陀仏」と読む。