竿竹は何を乾かすものなのか

west2692009-12-09

今日の写真は土蔵の小舞に使われている竹。小口を見るとかなり厚肉だ。「この竹はなんという種類だろう」と訊ねたら、「弾力があるんで、釣竿に丁度良いんだ」という返事が帰ってきた。
成る程。竿竹か。
さて、宮光園の土壁の小舞竹は割竹を使っていた。次の日韮崎の現場に行くと、こちらでも土蔵の小舞竹を編んでいた。隣接して建てられた浴室からの湿気で壁が崩れ落ちていたので、一部分だけ土壁を作り換えなければならない。こちらの壁は厚いので下地もこうして竿竹を丸太のまま使用している。この上に荒壁を塗り、乾いたらまた塗り重ねて、乾かしてはまた塗り重ねる。土蔵の壁は厚いので、一度には作業が済まない。しかも寒くなってきた。凍らなくても、温度が低いので乾き難い。なかなか次のステップに行けない。竿竹を使うのは「乾きやすいように」というおまじないなんだろうか。
そんな具合で、冬の土壁作りというのはなかなか大変な仕事なのだ。
下の写真はそんな竿竹で出来た土蔵の下地。ここに洗濯物を干しても乾かない。

昨日の割り竹の小舞と見比べてください。