迷惑な乗客

west2692011-11-08

右の写真は赤い実。「あれはなんだろう」と訊ねると「カラスウリ」と返事が返ってきた。烏売り、じゃなくて烏瓜なのだ。いずれにしても食用には不向きなんだそうだ。
今日は埼玉へ出張。最近は家でじっくり音楽を聴く時間もずいぶん少なくなった。電車の移動時間は音楽を聴く貴重な時間になる。入手したたばかりのアルバム(フィリップ・ジャロスキー)をIpotに入れて、早速スイッチを入れる。あっという間に新宿に着いた。気が付くと着信履歴やメール受信のお知らせが液晶画面に並んでいる。マナーモードにも車載モードにもなっていない。しかも着信音は最大になっている。当の本人には聞こえてないが、きっと周りには電話の音が鳴り響いていたんだろう。隣の人もきっと我慢していたに違いない。申し訳ありませんでした。

そんな訳で現場近くの沼の写真。

11月の曇った空にはこの曲が似合う。
よろしかったらどうぞ→http://www.youtube.com/watch?v=gAY7Y-IV9dg&feature=related ヘンデルシャコンヌです。

白黒のバラ

west2692011-11-07

今日の一枚は白いバラ。終わったつもりの原稿だったが、加筆修正というものが残っていた。そんな訳で昨日は一日自宅に籠って原稿書き。すっかり調子が狂ってしまった。
昼休み食堂の窓から外を見ていると庭のバラが咲いていた。カメラを持って外に出たが曇っているので白が映えない。どうせ色合いが乏しいのならと、白黒画面で撮影してみたけど、どことなく変だ。どうやら昔のフィルムのようには行かないようだ。
こちらは大月の家の土蔵の入り口。件の原稿は蔵について書かなければならないのだ。漠然と「土蔵の扉」はこんな感じと認識していたが、造り方には共通した約束事がある。山梨市のF左官から貰った年季の入った左官資料の図柄とほとんど同じだ。

丁度良いので1カット撮っておいた。

たったこれだけの場所にも固有の名前が付いているが、我々が日常業務で接する言葉とはほとんど縁が無い。
ちなみに真ん中の蝶番は何故か肘壺と呼ばれる。ギザギザの付いた扉の方は「戸前」、建具の取り付く枠のギザギザを「カケゴ」という。足元に見える一段高くなっている黒い石は「煙返し」。

石垣の里

west2692011-11-04

今日の一枚は中芦川という所。この辺りには兜つくりの茅葺民家がおよそ60棟近く残っている。しかし、その中の多くには人が住んでいない。

やっとの思いで仕上げた原稿の加筆やら修正をすることになったが、時間が無い。困った。
時間が無いと言いながら、昨日は庭仕事。夏の間に挿し木をしておいたバラとマサキとキンシバイを裏庭に植えた。いずれは生垣になって、隣家の通用口との視線を緩和するはずなのだ。気の長い話ではある。
ついでに夏の間に伸びすぎたミントや枯れた花を片付けた。龍の髭と混じって、狭い所にみっしりとニラも生えている。ニラは食べられるが、龍の髭はたぶん無理だろう。どうして龍の髭がニラに変身したのか判らないが、間違って炒めてしまっては大変なのだ。庭の一隅にニラ畑を作ったところで、日が暮れてしまった。

そんな訳でこちらは芦川の鴬宿という所の民家。

芦川村は山間の川沿いの道に沿って家が並んでいる。石垣を積んで土止めにして、僅かな平地を造ってそこに家を建てる。小さな人力で扱える程度の石を積んで出来た石垣が美しいと思う。しかし、最近は間知石の擁壁が増えて、かつての石垣が連なる風景もずいぶん少なくなってきた。

コ―ヒーもう一杯ね

west2692011-11-02

今日の一枚はハナミズキ
新宿行きの電車に乗る為に塩山駅に行く途中、見上げた木の葉が紅葉していた。遠くの山ばかり色づいていると思っていたけど、身近な木々もいつの間にか色変わりしていた。11月の声を聴くと一気に秋が深まる。えらいこっちゃなのだ。
新宿駅に降りて中央線から総武線に乗り換える。途中に本屋があって、入り口の辺りに雑誌が並んでいる。いつもの癖で立ち止まって眺めていると「神田カフェ」と書いた雑誌の表紙が目に入る。用事を済ませた後、夕方会う予定のY氏は東京の喫茶店の研究をしている。それも老舗中心なのだ。前回は半日で3軒コーヒーショップを廻った。
一つ情報収集をしようじゃないかと手に取ると、何とゴムバンドが掛けられている。成程。レジに行ってお金を払うと、ゴムバンドを外してくれた。せっかく外したのに今度は袋に入れようとする。それを制して裸でカバンに詰め込んだ。Y氏と落ち合ってからパラパラとめくると、こんなお店が載っていた。

早速偵察に行くが、なかなか見つからない。自動車を降りて、番地を頼りに歩くことにした。細い路地に入り込んでやっとたどり着いた。やはり建築は足で見つけるものなのだ。
一見定食屋の風情だが、中は渋い(当たり前か)コーヒーショップ。もう一杯ねと、3時間ほど居座ってしまった。

秋は暑いか

west2692011-10-29

まだ10月だというのに急に冷え込んできた。昨夜はセーターを着込んで、ひざ掛を出して机に向かった。「今年の秋は暑い」という噂だったが、一体どうなっているんだろう。
御坂峠を越えて、河口湖の現場に向かう途中の山々の高い所にある木々が急速に色づいているように見える。今日の一枚。山道や湖畔の撮影ポイントでは思い思いの方角にカメラを向けている人を見かけた。
そんな訳でこちらは事務所の前の朝顔

葉が落ちてほとんど枝だけになってしまった。随分淋しげな風情だが、3階の窓の前では毎日のように青い花をさかせている。葉の向こうに見える某電力の営業所も来月には引き上げるのだそうだ。

空き家

west2692011-10-28

今日の一枚は栗の空き家。八王子のYさんから頂いた栗には芋虫というか栗虫が住んでいる。昨年は皮をむいている内に何匹も犠牲になった。一匹や二匹なら「事故」で済むが、その数も二桁台になると、虫とはいえ若干心が痛む。食べるだけ食べたら後は外に出てサナギになるだけだからと、それまで待つことにした。栗虫の食べ残した奴を食べる訳だが、体も小さいことだし、まさか全部は食べないだろう。
新聞紙の上に広げて置くと、毎日朝と晩とで2,3匹は出てくる。地面に放り出すと、頭を振りながら次々とどこかに消えて行った。その先どうするつもりか知らないが、彼らの無事を祈るしかない。さて、今日の一枚は空き家になった栗の実。栗の実一つにつき3、4匹ずついたらしい。
残った栗を点検してみた。思ったより無事な実は多い。彼らも全部を食べつくすことはない。それなりに節度は守るものらしい。

そんな訳でこちらは昨日の続きの一枚。

脇道の端っこはこんな風になっている。コンクリートの三面張りの水路に浸食されて今や消滅寸前の石積み水路。人間も栗虫を見習った方が良いかも。

廃屋探し

梅模様コンクリートブロック

今日の一枚は季節外れの「梅の花」。何故かアンパンマンを連想してしまった。帰り道に気まぐれを起こして、脇道に入ったらこんなものに遭遇した。というより気が付いたというべきか。きっとずっと前から存在していたんだけど、こちらの方が周りに目を向ける余裕が無かったんだろう。

そんな訳でこちらは「廃屋」だと思う。鉄板の錆び具合が気に入ったので自動車を停めて撮ってみた。
しかし、農家が点在する周辺は油断ならない。廃屋のつもりで見ていたら農作業小屋だったりもするのだ。設計事務所を始めたばかりの頃、友人と過疎地域の古民家を見て歩いた。山の中に入って行き止まりみたいな林道も良く通った。林の中に建つ、人気のない家を見かけて「あれは廃屋だろうか」などと言いながら近づくと、洗濯物を干したり郵便物が置いてあったりする。「失礼しました」と引揚げたこともしばしばなのだった。