閑話休題

冬の準備

市役所に分厚い書類を届けた後、空になった紙袋を提げて事務所に帰る途中でこんな風景を見た。冬を迎える準備なのだ。チョキチョキと鋏の軽快な音を立てながら、金木犀の剪定作業をしていた。 我が家の窓先でも金木犀が枝を広げている。匂いは好きだが、葉が…

あやふやな記憶

ル・コルビジェという人がインタビュー映像の中でこんなことを話していた。「旅行に出かける際にカメラを買った。だがすぐ撮ることを止めた。シャッターを押してもフィルムが残るだけだ。他には何も残らない。だからスケッチブックに変えた」成程。確かに手…

椅子のビフォーアフター

写真の整理にはいつも時間を取られる。デジカメは簡単に撮れてしまうので、つい貯まる。宮光園の工事中の写真を整理した。保存してあるデーターを調べたら、工事期間だけでおよそ14,000枚撮っていた。 パソコンの画面で1枚開いて確認するのに5秒要するとして…

巨匠の手帳

今日の写真はル・コルビジェという人の「旅の手帳の復刻版」。 これには「東方への旅」と呼ばれる、東ヨーロッパを旅行した際のスケッチやメモが書き込まれている。関連書籍に断片的に紹介された中身は知っていたけど、「手帳6冊復刻版」とあるところが興味…

近隣説明会

今日の一枚はお向かいのビル。「東京電力とNTT旧塩山営業所」。 事務所の道路を挟んだ向かい側には3階建て鉄筋コンクリートのビルが2棟建っている。斜向かいは東京電力で、朝の内に2,3人見かけることがあるが、基本的にほとんど人気は無い。屋上の鉄…

本日ここまで

今日の一枚は昨日の続き。「飛び立つ前の白鷺君」。 撮影の途中で、後で拡大する時のためにデジカメの解像度を上げることにした。だが字は小さいし、液晶表示は日差しが強くて読み取れない。とにかく並んでいる数字の一番端が解像度の最大値に違いないと、適…

日常の光景

今日はスタッフが出てこない。だから事務所のどこを占拠しようと自由なのだ。 午前中はエアコンをかけずに窓を全開して、一番風通しの良いテーブルで作業した。 事務所の入居しているビルは西側の窓が全面開口になっていて、午後はとても日当たりが良くなる…

ソーラーパン

夏風邪の引鉄になったウォーキングの終点にはこんなものがあった。ソーラー・クッカーというもの。読んで字の如くというか、太陽熱利用調理器具なのだ。これでお湯を沸かしてパンを焼いていた。 湾曲した面の中央部の光が集まるところに練ったパンの元を置い…

夏風邪な1日

今日の一枚は水車。水力発電所では高い所から水を落としこの脱色したヒマワリみたいな水車を回して発電する。ちなみに「ペルトン型」水車というのだそうだ。 一晩経ったが熱は下がらない。頭も喉も痛い。医者に行って薬をもらい、今日は事務所を休んでしまっ…

一足お先

これは山梨県庁舎の4階から見た風景。解体中の建物はかつて「アーバン」という名前で賑々しくデビューした百貨店の店舗だった。その後西武デパートの時代を経て、県民情報プラザという名前で最近まで使われていた。解体後の跡地には、防災センターという大規…

お師匠さんの夏

今朝の新聞にこんなことが書いてあった。昨日勝沼で観測された気温は全国で4番目の暑さ。 聞くところによると、梅雨明け後の2週間は一年で一番暑い日が続くんだそうだ。それならあともう少しなのだ。 さて、先日事務所の東側にある於曽公園の木の下で涼もう…

ヒキガエルの健康について

今日は大月の山の中で打ち合わせ。大きな3階建て養蚕民家の再生相談だった。 山の斜面に建つ家の多くは南側に庭を取り、北側に崖を控えている。遠目には緑に埋もれ自然と一体化した好ましい風景だが、崖から流れ出る土で土台が埋められて、建物が傾く原因と…

渋滞解消な人々

我が家から塩山駅までは線路沿いの道を一直線に歩いてゆける。だがそれも、昨日までの話しだった。東西に走る中央本線の下を南北に潜り抜けるアンダーパスという道路が開通した。駅に行く途中に突然クレパスが出現したようなものだ。飛び越えるにはちょっと…

研修な日々覚書

構造計算書をインチキして一夜にして有名になった建築士がいた。今後二度と彼のような不届き者を出さないためと称していろんな制度が創設された。 一昨年は「管理建築士講習会」という研修を受けた。設計事務所を開設している人間は受けろという。 今年は「…

サンセットオフィス

はつなつのゆうべひたひを光らせて保険屋が遠き死を売りに来る(塚本邦雄) 最初に借りた事務所はビルの4階だった。西側に嵌め殺しの広い窓があって、「夕焼け設計事務所」と改名しようかと相談したくらい、夕焼けが良く見えた。もちろん、夏は気持ち良いく…

燕の左官職人

昨日ツバメを見かけないと書いたが、昼休み家に戻ると、前の水田の上を高く低く忙しなく飛んでいる。こちらが気付かないだけで、彼らは梅雨空の切れ間にはこうして働いているのだ。 虫取りに追われる仲間とは別に田んぼに入って泥を突いている一群もいる。今…

梅雨入りの日

ここ数週間の間、我が家の前にある水田の上をツバメ達が飛び交っていたが、今朝は見かけない。いつもと違って空はどんよりしている。どうやら梅雨入りしたらしい。 さて、月曜日の今日はなんだか訳の解からない内に1日経ってしまった。週末から溜まっている…

裏技

今日の一枚はカワセミ。鳥や虫や猫や犬や、それに野生動物も含めて生き物は動くので撮影は難しい。コンパクトデジカメなので、ほとんどの場合、接近戦なのだ。だが、カメラを構えて、そっと一歩二歩と近づいてゆくうちにいなくなってしまう。特に動きの素早…

難問解決の方法

今日の一枚は何だか判らないがマメ科の花。東山梨合同庁舎の庭先に咲いていた。シロツメクサの群の中でポツリと芽を出したのを、誰かがこんな風に囲いを作って保護していた。 ここ数週間あっちやこっちやと予定の重なることが多い。一年の内、何度かこんな状…

セタガヤへの道

暑い日が続くと緑が元気なのだ。これは千駄ヶ谷駅前の体育館の庭で見かけた木。この樹木の向こう側で学生達がテニスをしていた。 「テニスは似合わない」と言われながら同じくらい似合わない友人と一時的に付き合ったことがある。「似合わない」確かにそう思…

アモルファスな人々

今日の一枚は太陽光発電のパネル。「アモルファス」と呼ぶのだそうだ。どんな意味なのかウィキペディアで検索してみた。 『アモルファス (amorphous)、あるいは 非晶質(ひしょうしつ)とは、結晶のような長距離秩序はないが、短距離秩序はある物質の状態。…

カマキリの知恵その後

今日の一枚は生まれたてのカマキリ。 朝、網戸の外側に小さな虫がいるのが見えた。 こんなことを書いていると暇人みたいだが、朝は新聞を読んだり、パンにバターを塗ったり、ヒゲを剃ったり、靴下を履いたり、携帯電話をポケットに入れたりするので人並みに…

平穏に至る道

今日の一枚は考えにふける「かも」。 「電子認証システムの使い方について質問がある」と構造のM氏から電話があった。 何時もはこちらから訪ねることはあっても、その反対はない。耐震診断の判定会で、構造専門の先生方と禅問答みたいなやりとりをこなす人で…

ある解体

今日の一枚は「線路」。駒込から巣鴨に向かう山手線沿いの風景。 「線路内に人が入った」ということで行きも帰りも電車が遅れた。後ろの方の席では車掌が「2時間以上の遅れでないと無理なんです。申し訳ございませんと」と特急料金の払い戻しの要求に応対し…

人魚姫は泳ぐことができるのか

今日は昨日の続き。 右の写真は「人魚姫」。我が家から駅に向かう途中にある、元石屋だったと思われる廃屋の玄関脇に立っていた。何度も前を通っているけど気がついたのは今日が初めてだ。何時からここにいたんだろう。それはともかく石の比重は水より重い。…

ミツバチを盗難から防ぐために何が出来るか

今日の一枚は「グリゼル」。日本橋は三越本店の入り口を見下ろしていた。 理由はいずれご説明するが、10年ほど前からこういった彫刻を我が家では「グリゼル」と呼んでいる。 さて、4月も20日を過ぎたというのに寒い日が続く。今朝はその上雨まで降っていた。…

松里研究会

右の写真は「水車」。動力は笛吹川のはるか上流から分岐した水路の水を使っている。このような下掛け式の水車を回すためには水量が多くて勢いも無ければならない。実は難しいのだ。人工的な水路だが、何時造られたのかは分からない。しかも、この先で謎めい…

光る砂

今日の写真は「光る砂」。上条集落にある再生した茅葺民家である甲州民家情報館の庭に出来た水溜りで見つけた。 子供の頃家の周りで見た土もこんな風に光っていた。1ミリ角位の小さい粒が泥に混ざって光っている。それだけ取り出して手に貼り付けて見たらち…

春の淡雪

今日の一枚はお隣さんの植木に積もった雪。 毎冬12月から3月の間はスタッドレスタイヤを履くことにしているが、今年は雑事多用にかまけてタイヤ交換を忘れていた。昨日那須塩原の帰り道、中央道で相模湖を過ぎた辺りから雨に白いものが混じり始めた。横着が…

広葉樹環境建築

右の写真はリゾナーレ小淵沢。 通い慣れた森の中が突然工事用の高い壁で囲い込まれ工事が始まった。暫くして囲みが取れたらこんなものが建っていた。 同じこの場所を初めて歩いたのが夜間だった為か人気のない街路は絵画の世界に迷い込んだようなとても不思…