現場ルポ

意図したものは・・・・。

2,3日前に周囲の山が白いのに気が付いた。雪が降ったのだ。春めいてきたと喜んでいた矢先だったのに雪山から吹いてくる風が今日はとても冷たい。簡単には春は来てくれないのだ。 さて、こちらは大月の再生民家の現場の写真。民家の骨組みは露出しているので…

梅に鶯の「声」

今日の一枚は「花見弁当の重箱」。竜ケ崎の民家を解体する際に出てきたもの。黒い箱の中に右側の赤や茶色の漆器を入れて運ぶ。箱の裏側に「安政四巳年」と書いてあった。 今日は昨日の続き。不老園の境内を歩くとあちらこちらに梅の花が咲いている。白やら紅…

くどいけど「エコ」について。

今日の一枚は何故か以前使った写真。何度やってもこの写真が登場する。どうした訳なのか判らない。もしかして、ハテナのお気に入りなんだろうか。 そんな訳で今日は下の写真を見て下さい。こちらは天井の下地。いわゆる野縁というもの。場所は上野原は「浦木…

「締まり」のない窓

今日の一枚は仮面をかぶった人、じゃなくて宮光園にあった「捻子締まり」。 頭に書いてある模様は文字に見えるが何て読むのか判らない。「開く」とか「閉じる」の省略形なのかも知れない。 さて、「捻子締まり」は引違の建具の戸締りに使う。子供の頃、我が…

トンネル食堂

今日の一枚は工事中のお宅の庭にある辛夷の木。見上げたらもう蕾が付いていた。ここのところ暖かい日が続く。春は近いのだ。 午前中の打ち合わせを済ませて、もう一つの打ち合わせに向かう。ちょっと慌ただしい。もう少し時間に余裕を持って行動すべきかも知…

もしかしてオリジナル?

今日の1枚は宮光園の扉。主屋の東側にある白蔵の地下室の入り口にある。建物が古いので当然建具は傷んでいる。あちこち傷んだ建具は多くの場合、間に合わせ的に修理が施されている。 この建具も以前は木製の大戸だったものを雨掛りから保護するためにブリキ…

霧除け庇

今日の一枚は四方津の現場。建物の東側の壁面に霧除け庇を取り付けているところ。 ここのところ作業は天候に左右されやすい。雪の日は主に屋内の工事を行い、晴れた日はこうして外回りの作業を行っている。 明日もまた雪か雨が降るとのこと、雨ざらしになっ…

長い瞬き

長野に向かう自動車のラジオから「山梨県地方、今夜は雪です」と話していた。佐久から野辺山を越えて山梨に戻る道は滑りやすくてとても危険なのだ。恐る恐る帰ってきたけれど、こちらはまだ雪は降ってこない。明日の朝、周りは白くなっているのだろうか。 さ…

スリリング

今日の一枚は解体中の民家の一部。甲州街道を勝沼から東京方面に向かって走り、笹子トンネルを抜けると街道沿いには緩勾配の大屋根の民家が現れる。多くの場合は外観こそ2階建てだが、内部では天井を低くして3層や4層に床を組んである。 写真に見えているス…

坂道の途中

今日は昨日の続き。右の写真は工事中の屋根の様子。坂道の途中から撮った所。 ここは狭くて急な坂なのだ。おまけに方向転換する場所も狭いし、作業用の車両だって停まっているかもしれない。事務所の自動車は車高が低くて、回転半径が大きい。登ったら無事に…

家相図

今日の一枚は家相図。明治40年(1907年)と書いてあった。 古い民家は長い間に増築や改装を繰り返しているので、当初と変わっているところが往々にしてある。壁の位置やら窓の大きさの変更、時には重要な柱を抜いたり梁を切ったりと、大胆な工事を行っている…

暖かいような気がする

今日はMさん夫妻を案内した。民家の再生計画を始めるに当たり、工事の様子を知りたいとのこと。先ずは事務所近くの完成事例を一軒見学し、その後再生中の建物に向かった。 「浦木戸の家」は昨年12月に着工したばかり。4月末の完成を目指して工事が進行中な…

ガラスの結霜

今年初めて佐久の現場に行った。前日天気予報で気温を調べると、朝のうちは氷点下4度、日中の最高気温が2度とあった。 「今年はラニーニャだから寒さも格別なんだ」などと同行のEさんに言い訳しながら、現場に向かう。 着くと、北側に入れたサッシのガラス…

真冬の花

今日の一枚はタンポポ。花のイメージは春の訪れだが、時折真冬でも咲いているのを見かける。 6月から始まった民家再生の設計がまとまった。工務店が注文した材料が今週末には届き、年明けから工事が始まる。夕方から忘年会を兼ねてそのお祝い。大月の国道沿…

せげえもしくはせがい

今日の一枚は再生前の民家。 建物はご覧のように大型でしかも山間にある。敷地にたどり着くのには狭くて曲がりくねった斜面を登らなければならない。2階と3階の窓の足元にある庇みたいなものは「せげえ」とか「せがい」と呼ばれるもの。同じような呼び方をす…

木材確認の日

佐久平の民家の玄関ポーチの上に架かる梁に使用する木材を確認するために、今日は上田の工務店に行く。事務所で打ち合わせの後、「それじゃ梁材を見ましょうか」と工務店のS社長が席を立つ。 外に出て、大工さん達が作業をしている作業場に向かってゆくけど…

動力は謎

今日から12月。昨日はある建設会社の方がカレンダーを持って事務所を訪ねてきた。うーん、特に心当たりはないが何とも忙しない気持ちになる。 さて、右の写真は謎の民具。浦木戸の家の解体現場から出てきたもの。 初めに左側の臼状の物を見かけて、何だろう…

幻の犬目宿

今日の一枚は11月7日に着工した浦木戸の家の解体工事の様子。 敷地は山の斜面で高台にある。平地と異なり山地での工事は進入路の確保が課題の一つになる。敷地の南側と西側は道路から一段高くなっていて、東には隣家、北側は細い山道に接している。南の道路…

郷に入っては・・

今日の一枚は篠竹。 「郷に入っては郷に従え」じゃないけれど、民家の再生にあたっては壁も地域の流儀で再生することになった。 一般的に土塗壁の下地である小舞には2センチくらいの幅に割った竹を使うが、佐久の辺りでは1.5センチ程度の小径の竹と葦を組み…

夜目、遠目、傘の内

今日は山北の家の撮影。引っ越しの前には写真を撮っておかなければならないが、完成間際にはいろんな人が出入りしている。左官・サッシ・電気、それにエアコンの取り付けを行っていた。現地に着くと自動車が数台停まっている。外には工具が置かれ、犬走りも…

引っ越し迫る

出典を探してみたが、見つからない。 先日の新聞にこんな内容のことが書いてあった。「何人も私の持たざるものを奪うことはできない」(辺見庸)。確かに、一文無しなら詐欺にも合わない。無一物なら盗まれることもない。だが、時間はどうだろ。どんなに忙し…

祭壇設置

今日の一枚は祭壇設置の風景。 地鎮祭で見かける祭壇だけど、ここでは家の中に設置してある。 民家の再生にあたっては先ずは解体工事から始まる。既存の建物や工作物があるので更地に新築するよりも厄介なのだ。山間部の敷地で道が狭い場合には進入路確保の…

塞翁が馬?

今日の一枚は韮崎の家。北側の道路と敷地境界に土蔵が5棟連なっている。本格的な修理に費用が掛かるし、自動車の出入りにも邪魔なので1棟は解体したいという計画だった。だが解体費用と解体後の敷地整備にも同じくらい費用が掛かる。通りの景観も変わって…

ヨイトマケの石

写真は礎石。 一見無造作に置いてあるだけのようだが、ヨイトマケという方法で据えつけている。70センチほど掘り下げて、何層にか突き固めながら、割栗石と砕石を詰めて、最後にこの石が据えてある。石の上にはこれから柱が載る。 今日は長野県の佐久平の…

忙中閑あり?

今日の一枚は「山北の家」。 どういう訳か今年は一日に行事が重なることが多い。10月最後の土曜日はイベントが2つ重なってしまった。東京と山梨なので掛け持ちはできない。 仕事の締め切りも迫っている。こちらは打ち合わせにも行かなければならない。当然の…

幻の栗の木

今日の一枚は「栗」。これは佐久平の民家の庭にあった。 8月27日の日記に毬栗の写真を載せた。「どこから飛んできたの判らない」と書いたけれど、実はすぐ近くに小さな栗の木が立っていた。我ながらいい加減な話なのだ。 以前、我が家の近所に古い栗の木があ…

散歩する犬

今日の1枚は「オオビキ」。佐久平の民家の床下にあった。天然落葉松の丸太を大鋸で挽いて作られている。曲線を描いた筋の跡は大鋸の痕跡とのこと。この部材は目が詰んでいて、とても重い。 マサカリ大工の説を思い出した。梁や差し鴨居と違って床下にあって…

欄間の彫りもの

昨日宮光園で写真を撮っていると電話が鳴った。動物病院からだ。野良君の生涯は短いのだ。生まれ暮らした公園に連れてゆくと仲間達が近づいてきた。見覚えのある猫もいる。いつもは知らんぷりで寝たふりをしていた奴だ。彼らにも事の成り行きは分かるのかも…

竣工写真

今日は竣工写真の撮影の日。朝起きると青空が見える。これはツイていると宮光園へ出かけた。現場につくと誰もいな。ピーカンに晴れているので工務店が委託した写真家は撮影を見合わせたのだとのこと。邪魔が入らなくて好都合と一人で撮り始めた。藪が多いの…

迂回な一日

今日の一枚は「絵振板」。これは確かそんな呼び名だったと思う。 庇の片流れ屋根の上りきったところを「どうやって納めるの?」と訊かれたので、「こんなのどう?」と、マジックペンを使ってアドリブで絵を描いておいた。次に行くとこんな感じに出来ていた。…